もうすぐ開幕

 2015年Jリーグの開幕まで1カ月を切りましたね。2シーズン制への回帰ということに、がっかり感は否めませんが。
 3月7日に開幕するJリーグですが、浦和レッズは2月25日に水原とアウェーでACL開幕戦、2月28日にゼロックス杯でG大阪と対戦します。それに先駆けて、というわけではないですが、Jリーグ各チームがキャンプを行っている九州でニューイヤーカップなるものが開催され、鹿児島ラウンドにて浦和が今年最初のタイトルを獲得しました。スカパーで3試合中継をしていたので、その感想などを。
・いつもと違うアングル
  初戦の熊本戦、2戦目の磐田戦が行われたのは指宿のグラウンド。あくまでもグラウンドでありスタンドはなく、テレビ中継を前提とした造りではありません。なので通常のテレビ中継より、カメラの設置場所がピッチにかなり近く目線が低い。その効果もあり、プレイヤーに近い目線で見ることができ、非常にスピーディーで迫力がありました。俯瞰で見る以上にプレッシャーが速く、スペースがない。あれでボールをしっかりコントロールするんだから、さすがプロですね。ただ如何せんカメラの位置が低く、木が邪魔になり、一部のエリアではカメラのブラインドになっていたのはご愛嬌。
・11人の新メンバー
  今季の浦和は11人入れ替えという大補強を敢行。即戦力はズタラン・石原・橋本、バックアップで加賀、バックアップ+将来性で武藤・高木、レンタルバックで小島、岡本、大谷、ユースから斉藤、茂木。ニューイヤーカップとしてテレビ中継された試合の直前または直後にも同じ相手と練習試合を行っており、中継された試合が現在のファーストチョイス、というわけではない模様。あくまでも中継されたのは練習試合の中の1つの試合という位置付けではあるが、中継された試合では岡本、加賀、大谷は出場なし。
  大補強なだけに、「優勝は至上命題」という声が内外から出ております。自分としてもタイトル争いは大前提、G大阪に3冠取られているだけに、複数のタイトルが欲しいところです。が、ノータイトルで終わった場合、やはりサポーターから罵声が飛んでしまうのかが気になる所。もちろん外からはいろいろ言われると思いますが、罵声は聞きたくないなぁ
・躍動の橋本
  昨年も高い位置を取るウィングバックにサイドチェンジのロングボールを多用する場面が多く見られましたが、この3試合では極端なくらいそれを実行。それもあってか新戦力の橋本が躍動しました。サイドで1対1になった時のドリブル+クロスが、タッチラインに寄せるように縦にボールを持ち出し抜ききる前のクロスってのが外国人ぽくて素敵です。子どもたちの見本になるプレーだよね、あれ。クロス精度の高さもさることながら、後ろに戻す、サイドに張りっぱなしではなく中にも入っていく、上背があるのでセットプレイでも戦力になる、などなど、非常に良い補強です。良く来てくれました、ありがとう。
・爆発の李
  清水戦で思わぬ爆発をした李。昨年はコオロキのケガ以降スタメンでしたが、機能しているとは言い難く、今年はズラタンや石原の補強もあり、かなり厳しい立場に置かれています。正直なところシステムにあっていないというか、PA内で勝負できる状況を作ってあげれば決定力を生かせるプレイヤーだと思うのですが、ポストやつなぎが絶望的なので、現在のスタイルではあまり生きない気がしていました。ただ今回のシリーズでは、チームとして大外を使うことをかなり意識していたので、フィニッシャーの役割に専念できたからこその爆発といえるかも。そういった意味でも橋本の加入は大きいかもしれません。
・目立たない2シャドー
  先にも述べているように、このシリーズは大外を使うことをかなり意識していたこともあり、2シャドーはあまり目立ちませんでした。3戦中2戦は李が1トップだった影響もあるかも。トップに当ててフリックで3人目が飛び出すパターンは、武藤はひたすら裏狙って以外はあまりありませんでした。全体的には「誰が入っても同じ」そんな印象です。2シャドーが相手SBを引き付けるから、逆サイドでWBがフリーになるって側面は間違いなくあるんだけど、特にズラタンが先発した磐田戦以外は中央から攻めるって意識がなかったので、この3戦だけで評価するのは非常にかわいそうですが。
このポジションに求められる役割って何なんだろうね。自由が利くポジションだけに出場する選手により役割、というか印象が大きく変わるポジションです。今のところこのポジションで継続して存在感を出せたのは原口と柏木。それ以外の選手の場合はボールタッチが少なくなる傾向があるようで、あまり目立ちません。1トップでは非常に頼りになるコオロキも、昨シーズン序盤にシャドーで出場した試合ではほとんど目立ちませんでした。まず求められているのは黒子的な仕事なのか、その上で決定的な仕事ができるのが柏木・原口だったのか。今シーズンは柏木は1列下がることが多くなりそうなので、シャドーの選手たちがどんな役割をこなすのか、こなせるのか、注目してみたいと思います。
・清水戦の乱調
 清水戦では立ち上がりから圧倒的浦和ペースで進み、前半30分までで3得点。ところがその直後から突然リズムが悪くなる時間が続き、清水の不調に助けられながらも、前半終了間際に失点してしまいました。その落差があまりにひどかったのですが、3得点による油断、3点目直前に3人まとめて交代など、気が緩みやすくなる条件が揃っていたほか、3失点で清水がようやく目を覚まし、前から厳しくプレスに来たことも要因の一つでしょう。ただそれ以上に、浦和が後ろからつなぐ意識を持ち過ぎていたような気もします。結果、パスをひっかけられてショートカウンターをもらう、みたいな。プレマッチだったから、ビルドアップを徹底したとみるべきだと思いますが、昨シーズンは、前半は危険な場面でもつないでいたけど、終盤はかなり安全策で前に大きく蹴り出すようなプレーも多かったですね。その終盤の成績はみなさんご存知の通りです。そういった意味でも、本番ではどこまでつなぎにこだわるかも注目でしょうか。
・意外とふてぶてしかった茂木
  清水戦、後半からだったかな、ユース上がりのルーキー茂木が途中出場しました。登場した直後は清水のプレッシャーが厳しかったこともあり、パスミスやボールロストが目立っていたのですが、委縮するかと思いきや、それからも積極的にボールを呼び込み、チャレンジを繰り返していたように見受けられました。若いし練習試合なんだから、失敗を恐れずガンガンやって欲しいですね。リーグ戦やACLへの出場はかなり厳しいかもしれませんが、あのふてぶてしさは買いですね。
・見たかったけど見られなかった選手たち
  3バックのバックアップになるであろう、加賀、濱田は出場なし。守備陣のバックアッパー不足は結構深刻なだけに一度見たかったなぁと。加賀は経験は十分だと思うけれど、ミシャ式3バックに適応できているのか知りたい。濱田は頑張れ、すげぇがんばれ。
  GKの2番手は大谷かな。西川が足もと上手すぎるのでケガや出場停止の時の不安が。キックの精度が高いGKはたくさんいると思うけど、西川は単純な精度だけではなく、プレスが来てもパスコースが見えているんですよね。その差が大きい気がします。GK含めて後ろでプレスをいなせると、前にスペースがある状態で仕掛けられる。西川不在時にこれがどこまでできるのだろうか。
  入団当初から期待値の高かった小島。出場時間が短くあまり見られませんでしたが、良くも悪くも普通というか。ポゼッション時はDFラインに下がって阿部と同じ役割こなしていることが多かったけど、どちらかというと啓太の役割してほしいんだよね。タテを深い所まで見られる選手ってイメージだけど、サイドチェンジってよりは、中盤でプレスをいなしながら、クサビのパスをバシバシ狙ってほしいなあ。レギュラー取るためには守備力が鍵だろうか。

 さて、いよいよ2015シーズンが始まります。目指せ4冠です。かなり厳しい日程となりますが、クラブ・サポーターが一体となって、進んでほしいですね。