采配への疑問

采配への疑問
 ゴールデンウィークを挟み、3週間で7試合の連戦はACL含め5勝1敗1分。その締めくくりとなった仙台戦は、逆転に次ぐ逆転の末、最終的に4−4という壮絶な打ち合いとなりました。ただ、個人的には勝ち点2を落とした試合という印象です。
 前半の失点はオフサイドだと思うんだけど、その後の展開のせいで、うやむやになった感がありますね。嫌な立ち上がりにはなりましたが、前半は浦和ペースでかなり押し込んで、決定機も作っていたので、得点は時間の問題かなぁと思いながら見てました。ここ数試合でスタメンが固まってきて、コンビネーションが確立しはじめたってのもありますが、特に攻→守の切り換え時の前3枚の働きも非常に大きいのかなと。切り換えが早く、G大阪戦でもそうでしたが、高い位置でボールを奪うシーンがけっこうあって、前がそういう守備をしてくれるので最終ラインを高く保てるし、全体がコンパクトになるので、守→攻への切り替え時にも良い距離感でボールが回せる、という面もあると思います。昇格組との対戦が多かったリーグ序盤でも結果は残しているものの、内容的には非常に乏しい試合が続いたわけですが、その背景には常に前線のメンバーを入れ替えているという一面があったことは否めません。4月中旬以降はスタメン固定により、コンビネーションはもちろんですが、前線を含めた守備面での貢献が、内容をかなり安定させたし、リーグ首位という結果に結びついているはずです。
 それだけにこの試合のハーフタイムでペトロビッチが見せた2枚替えは嫌な予感を感じさせるものでした。
 コオロキはACLグループリーグ最終節でゴールをしたものの、復帰したばかり。李は正直なことを言わせてもらえば、今のサッカーには合ってないし、できることが少なすぎるんですよね。守備も気まぐれと言うか、時々頑張ってはいるけれども…。そういう状況にもかかわらず、毎試合のように交代出場があり、一定の出場時間を確保している。監督からの信頼が厚いのか、早く点を取らせてやりたいという親心なのか、はたまた出場時間に関する契約があるのか…。ACLでのハーフタイムで3枚替えとか、今シーズンのペトロビッチは交替が異常に早くて、李の件も含めて後半開始から終盤にかけての選択肢の幅がとても狭まってる気がします。
 そんな2枚替えで始まった後半は、リーグ序盤の前線をゴチャゴチャいじっていた時のことを思い起こさせる一方で、今やキーマンともいえる武藤が古巣対決と言うこともあり、やや入れ込み過ぎているように見えました。ちょっと球離れが遅いというか、判断の良さが彼の良さだと思うのだけど、いつもより個での突破にこだわっているように見受けられました。
 そんな武藤と、復帰したてのコオロキ、フィットする気配のない李の前線に不安を覚えてしまったわけです。ところがあっさりと2点を追加しスコアは3-1に。自分の見る目の無さに絶望していたところ、あれよあれよと3発もらってひっくり返され、コオロキの同点弾で何とかドローに持ち込んだ試合となりました。
 結果的に不安が的中してしまったわけですが、やはり前線の守備がまずかったのかなぁと。前の守備が機能しなくなったこともあり、間延びしてしまいました。後ろに重心置いてカウンターってわけでもないですし、浦和の場合。間延びしたことにより距離感が悪くなってきたこと、仙台が中央を締めてきたこともあってか、コオロキへのクサビはほとんどなかったように思います。はやり2枚替えが流れを変えてしまったのかなぁと。ズラタンは鼻骨骨折?って話もありますが、後半頭で2枚替えしなくてもね。特別悪かったわけでもなく、前半のメンツのままでも追加点は取れたと思うんですよね。交替に関しては、関根→永田の交代も気になりました。右サイドは関根・李なので、そこの守備を強化したかったのか。意図はわからないでもないけど、残り時間を考えても、これが3枚目のカードになるのはキツイ。終盤に手札を残しておくことも采配の重要な要素だと思うんだけどな。
 この試合で気になったことはほかにもあって、それが柏木でした。仙台の2点目が決まるひとつ前に、柏木がボールを持ち過ぎて、ボールロスト。結果的にファウルでFKを与えてしまったプレーがあって、2点差をつけた直後だけに、あそこはもっと慎重にプレーをすべきでした。パスミスもけっこう多くて、今シーズンの柏木は良い時もあるんだけど、今一つプレーが安定しません。代表に全然ひっかからないし、その辺を気にしているんだろうか。柏木は前で使った方が生きると思うんだけどなぁ。代表狙うなら前のポジションで機能させてあげたい、と個人的には思うのです。
 さて、コオロキが本格的に復帰したとなれば、この先は誰をスタメンに選ぶのか、ペトロビッチの手腕が問われます。結果を出している選手を使うのか、あるいはリーグ序盤のように毎試合違うスタメンを選ぶのか。毎試合出場機会を得ている李がいる一方で、確かな実力を持ちつつすっかり出番のなくなってしまった橋本のような選手もいます。週末のFC東京戦はどうなるのでしょうか。