采配への疑問

采配への疑問
 ゴールデンウィークを挟み、3週間で7試合の連戦はACL含め5勝1敗1分。その締めくくりとなった仙台戦は、逆転に次ぐ逆転の末、最終的に4−4という壮絶な打ち合いとなりました。ただ、個人的には勝ち点2を落とした試合という印象です。
 前半の失点はオフサイドだと思うんだけど、その後の展開のせいで、うやむやになった感がありますね。嫌な立ち上がりにはなりましたが、前半は浦和ペースでかなり押し込んで、決定機も作っていたので、得点は時間の問題かなぁと思いながら見てました。ここ数試合でスタメンが固まってきて、コンビネーションが確立しはじめたってのもありますが、特に攻→守の切り換え時の前3枚の働きも非常に大きいのかなと。切り換えが早く、G大阪戦でもそうでしたが、高い位置でボールを奪うシーンがけっこうあって、前がそういう守備をしてくれるので最終ラインを高く保てるし、全体がコンパクトになるので、守→攻への切り替え時にも良い距離感でボールが回せる、という面もあると思います。昇格組との対戦が多かったリーグ序盤でも結果は残しているものの、内容的には非常に乏しい試合が続いたわけですが、その背景には常に前線のメンバーを入れ替えているという一面があったことは否めません。4月中旬以降はスタメン固定により、コンビネーションはもちろんですが、前線を含めた守備面での貢献が、内容をかなり安定させたし、リーグ首位という結果に結びついているはずです。
 それだけにこの試合のハーフタイムでペトロビッチが見せた2枚替えは嫌な予感を感じさせるものでした。
 コオロキはACLグループリーグ最終節でゴールをしたものの、復帰したばかり。李は正直なことを言わせてもらえば、今のサッカーには合ってないし、できることが少なすぎるんですよね。守備も気まぐれと言うか、時々頑張ってはいるけれども…。そういう状況にもかかわらず、毎試合のように交代出場があり、一定の出場時間を確保している。監督からの信頼が厚いのか、早く点を取らせてやりたいという親心なのか、はたまた出場時間に関する契約があるのか…。ACLでのハーフタイムで3枚替えとか、今シーズンのペトロビッチは交替が異常に早くて、李の件も含めて後半開始から終盤にかけての選択肢の幅がとても狭まってる気がします。
 そんな2枚替えで始まった後半は、リーグ序盤の前線をゴチャゴチャいじっていた時のことを思い起こさせる一方で、今やキーマンともいえる武藤が古巣対決と言うこともあり、やや入れ込み過ぎているように見えました。ちょっと球離れが遅いというか、判断の良さが彼の良さだと思うのだけど、いつもより個での突破にこだわっているように見受けられました。
 そんな武藤と、復帰したてのコオロキ、フィットする気配のない李の前線に不安を覚えてしまったわけです。ところがあっさりと2点を追加しスコアは3-1に。自分の見る目の無さに絶望していたところ、あれよあれよと3発もらってひっくり返され、コオロキの同点弾で何とかドローに持ち込んだ試合となりました。
 結果的に不安が的中してしまったわけですが、やはり前線の守備がまずかったのかなぁと。前の守備が機能しなくなったこともあり、間延びしてしまいました。後ろに重心置いてカウンターってわけでもないですし、浦和の場合。間延びしたことにより距離感が悪くなってきたこと、仙台が中央を締めてきたこともあってか、コオロキへのクサビはほとんどなかったように思います。はやり2枚替えが流れを変えてしまったのかなぁと。ズラタンは鼻骨骨折?って話もありますが、後半頭で2枚替えしなくてもね。特別悪かったわけでもなく、前半のメンツのままでも追加点は取れたと思うんですよね。交替に関しては、関根→永田の交代も気になりました。右サイドは関根・李なので、そこの守備を強化したかったのか。意図はわからないでもないけど、残り時間を考えても、これが3枚目のカードになるのはキツイ。終盤に手札を残しておくことも采配の重要な要素だと思うんだけどな。
 この試合で気になったことはほかにもあって、それが柏木でした。仙台の2点目が決まるひとつ前に、柏木がボールを持ち過ぎて、ボールロスト。結果的にファウルでFKを与えてしまったプレーがあって、2点差をつけた直後だけに、あそこはもっと慎重にプレーをすべきでした。パスミスもけっこう多くて、今シーズンの柏木は良い時もあるんだけど、今一つプレーが安定しません。代表に全然ひっかからないし、その辺を気にしているんだろうか。柏木は前で使った方が生きると思うんだけどなぁ。代表狙うなら前のポジションで機能させてあげたい、と個人的には思うのです。
 さて、コオロキが本格的に復帰したとなれば、この先は誰をスタメンに選ぶのか、ペトロビッチの手腕が問われます。結果を出している選手を使うのか、あるいはリーグ序盤のように毎試合違うスタメンを選ぶのか。毎試合出場機会を得ている李がいる一方で、確かな実力を持ちつつすっかり出番のなくなってしまった橋本のような選手もいます。週末のFC東京戦はどうなるのでしょうか。

開幕戦勝利で連敗脱出!

 ACL2戦、ゼロックスで3連敗を喫し、Jリーグ開幕前にして不協和音が出つつあった浦和レッズですが、Jリーグ開幕戦は昇格組の湘南を相手に、3-1で何とか勝利を収めることができました。
 浦和のフォメはお馴染みの3-6-1。GK、CBはいつものメンバー。ボランチに阿部と青木、左に宇賀神、右に平川、2シャドーに石原と武藤、1トップにコオロキという並びとなりました。個人的な注目ポイントとしては、ビルドアップを後ろ3枚でするのか、4枚でするのか。4枚でする場合、中盤の1を務めるであろう青木がボールを受けられるか、を見ようと思っていたのですが、湘南のハイプレスの前に、いわゆる「浦和の型」はほとんど出ることはありませんでした。
 湘南のハイプレス+ショートカウンターは話では聞いていましたが、強烈でしたね。人が後ろからどんどん追い越していくのは、見ていて小気味がいいし、何より僕自身、一番好きなスタイルでもあります。敵ながら「ペース配分大丈夫か?」と思うくらい、立ち上がりから激しくきてましたね。一方の浦和はハイプレス対策のため、後方でのパス回しは行わず、開始直後から湘南DFラインの裏へのロングボールを多用。一発裏抜けが簡単に決まるほど甘くはなく、流れは必然的にセカンドボールをどちらか拾うか、ということになり、浦和もそこへの圧力を強めていきます。ということで球際がかなり激しくなるゲーム展開となりました。浦和の得意とする形ではないけれど、ロングボールで相手のプレスを無効化し、湘南にも良い形を作らせない。セカンドボールを巡っては、選手個々による局地戦が肝になってきます。中2日でこの展開は厳しいなぁと思いつつ、局地戦だけに個人の技量とフィジカルがものをいうはず、単純な選手個々の技量であれば浦和有利なはず。ということで勝機が見えてくるかなぁと思い始めたところで、湘南のカウンターが炸裂。槙野のブロックにより何とか凌いだものの、浦和右サイドからのアーリークロスで森脇がホールディングのファウルをしてしまいPK。湘南に先制されてしまいます。この時、“4連敗”が頭をよぎりましたね。
 ただ、この失点の前後から、湘南のプレスが若干緩くなってきたこともあると思いますが、DFラインの裏へのロングパスではなく、1トップ2シャドーへの足もとへのタテパスが入るようになります。そのタテパスを受けた武藤がファウルをもらいFK。宇賀神のキックを、コオロキがGKの前で合わせて同点。同時に相手GKのパンチングがコオロキと阿部をダブルノックダウン。すげぇ痛そうでした。そんなこんなで前半終了です。
 で、後半。前半の終盤同様、湘南の運動量が上がってきません。猛プレスこそないものの、湘南の3トップは守備時にかなり高い位置をとっており、浦和の型である最終ラインでのボール回しができない状況。なので浦和ボールになると、当然タテに早い展開になるんだけど、湘南は全体が間延び気味なうえに、最終ラインの3枚がタテパスに対しての食い付きが悪いので浦和の前線にボールがおさまりはじめます。さらに湘南のフォメの問題だと思いますが、浦和がカウンター気味に攻めるときは3バックの外側にスペースがあり、浦和が攻撃をやり直すケースでは、5バックになって外のスペースをケアするんだけど、3トップが浦和守備陣にプレスをかけるために前線に張り付いたままなので、中盤が2人になって、中盤の外側が空く状況に。つまり、湘南の運動量が低下→プレスが減退→中盤が間延び→3トップが下がって守備をしない傾向が強いので最終ラインや中盤にスペースができる→浦和がそのスペースを使う→ゲームを支配。こんな後半でした。ほぼ浦和が支配する展開のまま70分まで進み、攻め疲れが懸念されるかなぁというところで宇賀神のビューティフルゴール、さらに何故か最前線にいた那須が頭で追加点。これでほぼゲームの大勢は決したと思います。
 湘南の運動量が低下した背景には、開幕戦やJ1に対する過緊張、序盤に飛ばしすぎた上に浦和も球際に厳しく行く展開になったことにより体力を余計に消耗してしまった、ということではないでしょうか。30分くらいいまでのハイプレス・カウンターはかなり脅威だったので、J1でも飲み込まれるチームもいるのではないかと思いますが、守備時の対応をなんとかしないと厳しいような…。
 浦和サイドとしては、終了後のインタビューでペトロビッチがえらく不機嫌だったけど、いわゆる浦和の型はほとんど出せませんでしたね。石原、高木、武藤は個人としての良さは出していたと思うけど、コンビネーションはほぼなかったので、この試合だけを見て、心配ないさぁ〜とは言えなのが正直なところ。湘南はスペースを与えてくれたけど、守備を固められた時、中央でコンビネーションを出せるか、外を有効に使えるか。ペトロビッチのサッカーではこれが大事。もちろん相手に対応して、より効率の良いやり方で勝てればそれにこしたことはないけれど、苦しい時にスタートに立ち返る、という意味でも、チームとしての強み、スタイルを確立しておくことは重要ではないかと思います。数年前のようなどん底はもう嫌だよ。
 まず1勝です。たかが1勝、されど1勝。これをよいきっかけにして、チームが上昇気流に乗ることに期待しましょう。

リーグ開幕前に3連敗

ACLグループリーグ第2節、ブリスベン・ロアーとの対戦、開始直後のぬるい失点、後半頭の那須の退場により敗戦。2015シーズンはJリーグ開幕前にして、公式戦3連敗となってしまいました。公式戦を1試合もしてないチームが14チームもあるのに3連敗です。なんだか不公平な気がしないでもない。
で、対ブリスベン戦の敗戦の要因は明らかに采配ミスでした。浦和のフォメは、ペトロビッチになって初めて見る3-5-2、2トップにコオロキとズラタン、トップ下に柏木、右ワイドに加賀。負けられない戦いであるにも関わらず、テストを続ける様子です。出ばなの失点は集中力の欠如としかね。ぬる〜く入ってぬるい対応でグサッと失点。どうもACLは立ち上がりが悪い印象あります。
ビルドアップはゼロックスのガンバ戦と同様、後ろ3枚、ボランチ2枚。マイボール時には4トップ気味の下に柏木が入り、3-2-1-4で対応していました。どうもブリスベンは前プレはあるんだけど、後方の守備陣が緩いらしく、けっこうボールが回ります。特に序盤は、公式戦初出場のコオロキがうまくボールを引出しチームにリズムを与えていました。一方で柏木の役割が定まらず、中盤で1人浮いた感じになってしまい、ボールにほとんど絡めずやりにくそうでしたね。
また、同じく公式戦初出場の加賀はおそらく不慣れであろう右ワイドでの出場となったわけですが、予想通りというか微妙なでき。本職CBの選手にウィングの位置でボールを持って仕掛けろ、という要求はさすがに厳しい。そんなことできるの森重くらいじゃなかろうか。で、前半途中で森脇とポジションチェンジ。加賀は無駄に精神的消耗をさせられた印象です。しかも前半だけで交代はさすがにかわいそうでした。
序盤はわりと印象も良かったのですが、ブリスベンの前線がしつこくプレスに来るのと、ビルドアップ変更の影響でCBがワイドの選手のフォローにいけないことが相まって、浦和は徐々に前後分断傾向に。中盤にスペースがあるので、ボールを奪われると相手カウンターが怖いです。そんなこともあってか、途中からビルドアップをいつもの最終ライン4枚方式に変更。ただ前が2トップなので、柏木が中盤に降りてきて、攻撃時は4-2-4の様な形に。これにより柏木のボールタッチ数が増え始めますが、守備の時にどうも後手に回ります。ブリスベンは割とシンプルにボールを動かすんだけど、カウンター時には後ろから押し上げて割と人数をかけて攻めてきます。ところがコオロキ・ズラタンの2トップの守備への参加が散発的で、中盤で数的不利に。そんなこんなで流れを取り戻せずに0-1で前半を終了します。スタメン、フォーメーションが完全に裏目に出た前半でした。いつものやり方なら圧倒できたはずなのに、と思っていたら後半から加賀→梅粼、ズラタン→石原の2枚交代。いつもの3-6-1からの4-1-5フォーメーションに変更すると、ブリスベンを圧倒します。わずか10分弱で惜しいチャンスを何度も演出しましたね。やはりコオロキが素晴らしい。とにかくフリーでボールを受けるんですよね。テレビなのでボールを受ける前の動き出しは見えないけど、あれだけフリーで受けるんだから、子供向けの教材になりそうな気がするんだけど。今度スタジアムで確認したい。もちろん敵に囲まれそうな時もあるんだけど、ファーストタッチで敵のいないスペースにボールをコントロールするのが抜群にうまいです。だからキープできるし、味方も押上げができる。やはりFW陣の中では存在感が抜けています。
そんなわけで、同点、逆転は時間の問題かなぁと思っていたら那須が一発退場。ブリスベンは前半から前からプレスには来ていましたが、あのシーンでは那須が完全にパスを読まれてしまいパスカット、那須が掴んで止めてレッドカード。完全に浦和の流れだっただけにもったいない。直前のシーンでコオロキが決定的なチャンスを決めていれば…。
ただ、10人になってからもブリスベンの守備陣は相変わらず緩く、退場直後こそ混乱はあったものの、その後はチャンスをそれなりに作れていたと思いますが、ゴールを奪えず敗戦となりました。阿部の汎用性の高さにより、10人になってからも大崩れしない布陣が組めたから結果オーライだったけど、後半頭の交代2枚により那須退場後の選手交代がかなり制限されたことも事実です。
今回の試合は、最初からいつもの布陣で臨んでいれば十分に勝点3が計算できる試合だったと思います。選手層が厚くなったことに伴い、今年は例年以上に選手マネジメントに気を使う必要があります。他クラブならスタメンクラスの選手がベンチ、あるいはベンチ外のままでは不満が溜まり、チームの雰囲気にも大きな影響を及ぼしますからね。それもありスタメンが安定しないわけですが、それにより、コンビネーションの成熟に時間がかかる、選手を出場させるためにフォーメーションをいじる、といった弊害が出てくるわけです。少なくともこの試合では、ペトロビッチがフォーメーションを変更したこと、不慣れなポジションの選手を起用したことにより、後半頭に2名を交代する必要に迫られ、那須退場後の交代が制限されてしまいました。この試合は完全にペトロビッチの采配ミスで落とした勝点3といっていいと思います。
格下相手にテストするならまだしも、ACLでテストまがいのことをするのは厳しいと思うんだよね。閉塞感を感じているからこそ新しい試みをしているんだと思うけど、成熟度が足らず逆に閉塞感が増し、いつものやり方にしたら皮肉にも躍動感が増したと。個人的に感じる大きな問題は2つ。コオロキ不在時の改善策が見えない事、ビルドアップ時の4-1-5で中盤1人のタスクを理解し、こなせる選手が啓太しかいない事、なんだと思います。だから選手をローテーションさせると上手くいかない。改善策はシンプルです、昨年のベストメンバーで試合に臨めばそれでOK。まずはそれを軸に、選手を1〜2人いじるくらいで良いと思うけどね。まぁ、前線過多で中盤・守備陣のバックアッパーが補強できなかったのは、フロント陣のミスです。長谷部戻ってこないかなぁ。
さて、ニュース等で話題になっているようですが、サポのブーイングに対しペトロビッチや一部の選手から物言いがあった模様。一方で阿部の必死な訴えに胸を打たれるわけですが。昨年終盤の大失速の流れを受けての3連敗だけに、ブーイングは仕方ないと思うけどなぁ。立ち上がり、あまりにもふわっと入って失点してるし、“絶対に勝つ”という気迫を感じられない前半でしたからね。1人でいいので前線に気迫を前面に出してプレーするファイタータイプが欲しいところです。ペトロビッチは「選手にブーイングするな、責任は監督にある」と言ったようだけど、ブーイングの大半は監督に向けてだったような気がしますね。サポだって落とせないゲームだってわかってるからこそ、勝ちに行く姿勢が見たかったはずだし、そしたら肩透かしされるような布陣とスタメンで、采配が裏目に出たってことも明らかだし。ただ、監督も選手も、試合中は最後までサポが歌って後押ししてたことを忘れちゃダメだよね。平日の寒い中、1万3000人も入って、試合中は最後まで応援していたのだから、それをなかった事のようにブーイングを批判したのはいただけない。
 まぁ、個人的にはまだリーグ戦開幕してないし、ベストメンバーならACLでも破壊力のある攻撃ができることは分かったのでそこまで悲観はしてないけど。週末はついにJリーグが開幕です。両ステージ優勝、チャンピオンシップ優勝の完全制覇を目指し、湘南には申し訳ないけれど溜まったうっ憤を晴らす快勝に期待しましょう。

ゼロックス敗戦

 残念ながらゼロックスは0-2で敗戦となりました。G大阪のプラン通りって感じの負け方でしたね。前半は粘り強く守って、後半勝負みたいな。パトリックが後半出てくるのは厳しいわ。
 さて、この試合の浦和はビルドアップの部分でいつもと違うやり方をしてました。いつもは3バックの真ん中に阿部が降りてきて4バックの並びになり、中盤は鈴木啓太1人になるのが通常パターンなのですが、この試合ではビルドアップ時にも3CBと2ボランチのポジションはそのまま。4-1でのビルドアップを3-2で行いました。これまでも流れの中で3-2の形になることはあったけど、今回は4-1の形にするそぶりはまったく見られず。ACLの後半、4-1で1が全然ボールを受けられなかったこと、ガンバが2トップで来ることが予想されたことなどが、その理由ではないかと推測されます。
 で、効果はどうだったかというと、ガンバが守備重視できたこともあり、いまひとつよくわからなかったなぁと。ただ後ろが3バックなので、槙野・森脇のオーバーラップは控えめ。オーバーラップをしてもウイングをフォローして厚みを作るというよりは、やや中よりのポジションからバックパスを受けるポジションを取る、みたいなイメージです。なので敵を押し込んでからの槙野・森脇によるミドル〜ロングは形として成立しそうでしたね。
 また、中盤が2人になるので、2シャドーが下がってくる必要がなく、1トップに近い位置取りができるってのは、浦和のゲームをするという意味でも、ありではないでしょうか。ただ、この試合では前半は1トップ2シャドーの3人がそろいもそろってポストワークを苦手とする選手たちだったため、中央からの攻撃は機能せず。外から関根が頑張っていたけど、前述の通り槙野も大外から攻撃の厚みを出すというよりは、詰まった時のフォローのような位置取りだったこともあり、攻撃への手詰まり感が。
 後半はガンバが前半よりは前目に来たこと、中央にズラタンが入ったこともあり、全版より攻撃の形が作れるようになりましたが、審判の謎ジャッジなどもあり得点取れず。守備面ではパトリックの投入で対応が後手後手になり2失点。浦和らしい負け方でしたね。守備的に戦い、後半、浦和の我慢が利かなくなってきたところでどんな形でも点につなげる、というのが浦和対策として定着しそうです。膠着した試合を力技で勝ちきるための大型補強だったと思うんだけどね。ビルドアップの部分で工夫はみられたものの、肝心の前線で改善の兆しが見られなかったことが残念でした。まぁ、ペナ近辺の低い位置で守備ブロック作られると浦和の場合はかなり厳しい。あくまでも得意な形はタテに早い展開であって、敵を釣り出すためのビルドアップなので、あれだけ敵陣にスペースがない状態はかなり厳しい。それでも90分我慢の守備ができるチームは少ないと思うし、得点不足に悩むってことはないと思いたいけれども。ガンバに上手く守らた試合だったのではないでしょうか。
 誤審について。DFのクリアがオフサイドになったり、疑惑のバックパスがあったり、ガンバ目線で見ても遠藤のクリーンなタックルがファウル判定されたりと、がっかり判定が目立ちましたね。Jリーグへの認知度を高める、露出を増やして新規サポーターを獲得するっていう名目で2ステージ制に回帰したのに、シーズン開幕を告げるゼロックスで、地上波で、あんな判定連発されたら逆効果でしょう。しかも疑惑の判定に対してもリプレイ1回のみ、バックパスに至ってはリプレイなし。実況も解説も歯切れの悪いコメント。実況も選手名の間違いなどなどミスが目立つ。サッカーゲームみたいに、選手配置をリアルタイムで画面に表示するトラッキングシステムは良い試みだったと思うけど、ヒートマップは明らかにおかしかった。気になったのは後半に関根が表示されたとき、ピッチのほぼ全体が黄色に表示されていたこと。ガンバのDFでもそんな表示がされていた。あれ、全後半の陣地交代考慮せずにモニタリングされたたんじゃいかな。いろいろひどかったよ、今回のゼロックス。何のために2ステージ制を導入したのか、ファンを獲得したけりゃ、選手やクラブ、サポーターにだけ質を求めるのではなく、審判、そして放送体制もしっかり構築させろよ。こんなことしてると、ファンの獲得どころか、既存ファンが離れていくよ。誰かがっつり批判してくれないかなぁ。Footbrainでチェーザレとショーンが、Twitterでもベンメイブリーがメディアの問題提起していたけど、地上波で解説するような人たちが声をあげてくれないと、どうにもならないよ。つーか地上波の解説って誰だ。NHKは早野、山本あたり、戸田もBSで担当してるから、地上波にもくるかな。日本テレビは北沢、武田、城…、がっかり感半端ないw。TBSは金田、小倉。フジは清水か。CSでブンデスを永嶋、波戸、田中あたりがやってるけど地上波厳しそうだな。テレ朝は松木、中山かな。名波が現場行ったのがきつい。テレ東は全然わからん。リーグ戦はNHKとTBSだけだろうけど、チャンピオンシップも同じなんだろうか。もっとがんばろうぜ、Jリーグ

2015シーズン初戦は敗戦

 浦和レッズの2015シーズン公式戦は韓国でスタートしました。ACLグループリーグ、対水原戦。森脇の美しいシュートで先制したものの、後半2失点。2015シーズンは黒星でのスタートとなりました。

 率直な感想としては、まだちょっと重いのかなぁと。後半はあり得ないレベルのパスミス連発、判断が悪いことも多く、自分たちで危険を呼び込んでいるような状況でした。悪いなりの戦い方はあったと思うけど、せめて勝点1は取っておきたかったところです。ただ、水原の選手たちは強く、そして上手さもありました。中盤でも個人技でいなされるシーンも多かったです。また、守備でも最後の場面では身体を投げ出してシュートブロックってシーンもかなりあったように思います。上手くて力強く、ラフではないけどファイトできる、非常に好印象なチームでした。


 ただ、そんなチームに対して浦和も守備陣はしっかり踏ん張れていたし、失点についてはどちらも交通事故みたいなもので、及第点をあげても良いのではないかと。それに2失点目のFKを与えたファールは、たぶん今のJリーグだと流されると思うんですよね。世界と戦うためにコンタクトの基準を厳しくしてきたJリーグだけど、アジアはこれがあるんでっせ。アジアのアウェーは倒れられたらファウルになる。この辺は経験を積み、駆け引きを覚えていくしかないのだろうか。

 で、この試合で課題が残ったのは攻撃面です。上手くボールが回る時間帯もあったけど、相手の厳しい守備にかなり手を焼きました。ニューイヤーカップで散々見せた外を効果的に使った攻撃もほとんど見られませんでした。

特に気になったのが青木のポジショニングです。これは去年も気になっていたことなんだけど、阿部と啓太でボランチを組む場合は、マイボール時には阿部がCBの位置まで降りて、啓太が1ボランチになり、4-1-5みたいなフォメになります。水原戦では啓太の位置に青木が入ったのだけど、青木はプレスがきつくなるとパスをもらうのが嫌なのか、最終ラインに吸収される傾向があって、ポゼッションしてるのに5バックみたいになることがあります。 マークを引きつけて最終ラインからのタテパスへのコースを空けているって解釈もできるけど、中盤がいなくなるからね。啓太も状況によっては最終ラインに出たり入ったりするんだけど、青木はずっと入りっぱなしというか、中盤でパスをもらうためのポジションを取らなくなるんですよね。こういう状況になるとチームのリズムはダダ崩れで攻撃が構築できません。パスレンジが長くなるので、よっぽどのフリーにならないと途中で引っ掛けられる。あるいは空になった中盤にシャドーが降りてくるんだけど、そうするとシャドーと前線の距離が開き過ぎてコンビネーションが構築できず、どのポジションでも相手マーカーとのガチンコ気味になるので、そこで優位に立てない場合はかなり厳しくなる。水原戦はそんな試合でした。

この辺がボランチの世代交代が進まない所以なのかなぁ。守備専ボランチといわれる啓太だけど、その辺はしっかり狙いを持ってプレーする選手ですよね。まさにチームの心臓なので、一つのミスが必要以上に目立ってしまうポジションだけど、チームのリズムを作る重要な役割を担っているのです。啓太、阿部の年齢を考えると世代交代が必要になってきてはいるけど、結果が求められている年だけに、今年もファーストチョイスは啓太になりそうな予感。青木や小島は頑張りどころです。レオ・シルバ欲しかったなぁ。

もうすぐ開幕

 2015年Jリーグの開幕まで1カ月を切りましたね。2シーズン制への回帰ということに、がっかり感は否めませんが。
 3月7日に開幕するJリーグですが、浦和レッズは2月25日に水原とアウェーでACL開幕戦、2月28日にゼロックス杯でG大阪と対戦します。それに先駆けて、というわけではないですが、Jリーグ各チームがキャンプを行っている九州でニューイヤーカップなるものが開催され、鹿児島ラウンドにて浦和が今年最初のタイトルを獲得しました。スカパーで3試合中継をしていたので、その感想などを。
・いつもと違うアングル
  初戦の熊本戦、2戦目の磐田戦が行われたのは指宿のグラウンド。あくまでもグラウンドでありスタンドはなく、テレビ中継を前提とした造りではありません。なので通常のテレビ中継より、カメラの設置場所がピッチにかなり近く目線が低い。その効果もあり、プレイヤーに近い目線で見ることができ、非常にスピーディーで迫力がありました。俯瞰で見る以上にプレッシャーが速く、スペースがない。あれでボールをしっかりコントロールするんだから、さすがプロですね。ただ如何せんカメラの位置が低く、木が邪魔になり、一部のエリアではカメラのブラインドになっていたのはご愛嬌。
・11人の新メンバー
  今季の浦和は11人入れ替えという大補強を敢行。即戦力はズタラン・石原・橋本、バックアップで加賀、バックアップ+将来性で武藤・高木、レンタルバックで小島、岡本、大谷、ユースから斉藤、茂木。ニューイヤーカップとしてテレビ中継された試合の直前または直後にも同じ相手と練習試合を行っており、中継された試合が現在のファーストチョイス、というわけではない模様。あくまでも中継されたのは練習試合の中の1つの試合という位置付けではあるが、中継された試合では岡本、加賀、大谷は出場なし。
  大補強なだけに、「優勝は至上命題」という声が内外から出ております。自分としてもタイトル争いは大前提、G大阪に3冠取られているだけに、複数のタイトルが欲しいところです。が、ノータイトルで終わった場合、やはりサポーターから罵声が飛んでしまうのかが気になる所。もちろん外からはいろいろ言われると思いますが、罵声は聞きたくないなぁ
・躍動の橋本
  昨年も高い位置を取るウィングバックにサイドチェンジのロングボールを多用する場面が多く見られましたが、この3試合では極端なくらいそれを実行。それもあってか新戦力の橋本が躍動しました。サイドで1対1になった時のドリブル+クロスが、タッチラインに寄せるように縦にボールを持ち出し抜ききる前のクロスってのが外国人ぽくて素敵です。子どもたちの見本になるプレーだよね、あれ。クロス精度の高さもさることながら、後ろに戻す、サイドに張りっぱなしではなく中にも入っていく、上背があるのでセットプレイでも戦力になる、などなど、非常に良い補強です。良く来てくれました、ありがとう。
・爆発の李
  清水戦で思わぬ爆発をした李。昨年はコオロキのケガ以降スタメンでしたが、機能しているとは言い難く、今年はズラタンや石原の補強もあり、かなり厳しい立場に置かれています。正直なところシステムにあっていないというか、PA内で勝負できる状況を作ってあげれば決定力を生かせるプレイヤーだと思うのですが、ポストやつなぎが絶望的なので、現在のスタイルではあまり生きない気がしていました。ただ今回のシリーズでは、チームとして大外を使うことをかなり意識していたので、フィニッシャーの役割に専念できたからこその爆発といえるかも。そういった意味でも橋本の加入は大きいかもしれません。
・目立たない2シャドー
  先にも述べているように、このシリーズは大外を使うことをかなり意識していたこともあり、2シャドーはあまり目立ちませんでした。3戦中2戦は李が1トップだった影響もあるかも。トップに当ててフリックで3人目が飛び出すパターンは、武藤はひたすら裏狙って以外はあまりありませんでした。全体的には「誰が入っても同じ」そんな印象です。2シャドーが相手SBを引き付けるから、逆サイドでWBがフリーになるって側面は間違いなくあるんだけど、特にズラタンが先発した磐田戦以外は中央から攻めるって意識がなかったので、この3戦だけで評価するのは非常にかわいそうですが。
このポジションに求められる役割って何なんだろうね。自由が利くポジションだけに出場する選手により役割、というか印象が大きく変わるポジションです。今のところこのポジションで継続して存在感を出せたのは原口と柏木。それ以外の選手の場合はボールタッチが少なくなる傾向があるようで、あまり目立ちません。1トップでは非常に頼りになるコオロキも、昨シーズン序盤にシャドーで出場した試合ではほとんど目立ちませんでした。まず求められているのは黒子的な仕事なのか、その上で決定的な仕事ができるのが柏木・原口だったのか。今シーズンは柏木は1列下がることが多くなりそうなので、シャドーの選手たちがどんな役割をこなすのか、こなせるのか、注目してみたいと思います。
・清水戦の乱調
 清水戦では立ち上がりから圧倒的浦和ペースで進み、前半30分までで3得点。ところがその直後から突然リズムが悪くなる時間が続き、清水の不調に助けられながらも、前半終了間際に失点してしまいました。その落差があまりにひどかったのですが、3得点による油断、3点目直前に3人まとめて交代など、気が緩みやすくなる条件が揃っていたほか、3失点で清水がようやく目を覚まし、前から厳しくプレスに来たことも要因の一つでしょう。ただそれ以上に、浦和が後ろからつなぐ意識を持ち過ぎていたような気もします。結果、パスをひっかけられてショートカウンターをもらう、みたいな。プレマッチだったから、ビルドアップを徹底したとみるべきだと思いますが、昨シーズンは、前半は危険な場面でもつないでいたけど、終盤はかなり安全策で前に大きく蹴り出すようなプレーも多かったですね。その終盤の成績はみなさんご存知の通りです。そういった意味でも、本番ではどこまでつなぎにこだわるかも注目でしょうか。
・意外とふてぶてしかった茂木
  清水戦、後半からだったかな、ユース上がりのルーキー茂木が途中出場しました。登場した直後は清水のプレッシャーが厳しかったこともあり、パスミスやボールロストが目立っていたのですが、委縮するかと思いきや、それからも積極的にボールを呼び込み、チャレンジを繰り返していたように見受けられました。若いし練習試合なんだから、失敗を恐れずガンガンやって欲しいですね。リーグ戦やACLへの出場はかなり厳しいかもしれませんが、あのふてぶてしさは買いですね。
・見たかったけど見られなかった選手たち
  3バックのバックアップになるであろう、加賀、濱田は出場なし。守備陣のバックアッパー不足は結構深刻なだけに一度見たかったなぁと。加賀は経験は十分だと思うけれど、ミシャ式3バックに適応できているのか知りたい。濱田は頑張れ、すげぇがんばれ。
  GKの2番手は大谷かな。西川が足もと上手すぎるのでケガや出場停止の時の不安が。キックの精度が高いGKはたくさんいると思うけど、西川は単純な精度だけではなく、プレスが来てもパスコースが見えているんですよね。その差が大きい気がします。GK含めて後ろでプレスをいなせると、前にスペースがある状態で仕掛けられる。西川不在時にこれがどこまでできるのだろうか。
  入団当初から期待値の高かった小島。出場時間が短くあまり見られませんでしたが、良くも悪くも普通というか。ポゼッション時はDFラインに下がって阿部と同じ役割こなしていることが多かったけど、どちらかというと啓太の役割してほしいんだよね。タテを深い所まで見られる選手ってイメージだけど、サイドチェンジってよりは、中盤でプレスをいなしながら、クサビのパスをバシバシ狙ってほしいなあ。レギュラー取るためには守備力が鍵だろうか。

 さて、いよいよ2015シーズンが始まります。目指せ4冠です。かなり厳しい日程となりますが、クラブ・サポーターが一体となって、進んでほしいですね。

最終節を前に感じていること

G大阪に敗退、そして鳥栖とのドローを受け、優勝が遠のいてしまった浦和レッズ。非常にくやしいし、がっくりきているわけです。
鳥栖戦、試合そのものは非常に慎重な進め方でしたね。単純に守りに入ったというよりは、鳥栖のサッカーを考えてのこともあったのだと思います。中盤でパスひっかけられてアーリークロスでドン! みたいなのは避けたいところですからね。相手が一人退場したといっても、鳥栖の場合、こと攻撃に関しては人数の影響とか全然感じさせないですからね、シンプルさ故の強さと言うか。豊田ほしいなぁ。
 浦和がロスタイムのCKに泣いた翌日は、昇格プレーオフで磐田がこれまたロスタイムのCKで涙を飲みました。しかもGKのヘディングシュートですからね。浦和以上に劇的な結末だったわけで。前日のことがあるので、磐田の選手やスタッフ、そしてサポーターの気持ちに心情を重ねてしまう一方で、点を決めたGKが山岸という当たり、非常に複雑な心境になりました…笑。
 さて、浦和の優勝が限りなく遠のいてしまった日の夜、新潟サポの友人から慰めの電話がありました。その時に「ロスタイムの失点で優勝が遠のいてしまったことにもっと憤っているかと思った。試合後の会場のサポーターも罵声ではなく、“浦和レッズ”コールをしているし、思ってたのと違うんだけどw」と言われたわけです。
 確かに僕自身、がっかりしているのは間違いないのですが、憤りの様なものはほとんどありません。たぶんその原因は、2011年の低迷があったからだと思うんですよね。11年はいろいろおかしかったと思います。フィンケ路線が“失敗”と位置付けられてしまったところが根っこにあると思うのですが、監督としての手腕が未知数であるOBのペトロビッチが監督に就任。だけど「前向きにチームをサポートしたい」という思いからか、ペトロビッチを肯定する声の方が大きかったと記憶しています。継続性のかけらもない人事に、サポーター間もチグハグというか。で、案の定ダメダメで残留争い。最終節でようやっと残留を勝ち取るというありさまに。
 00年代中盤にかけての浦和の躍進に、いわゆるサッカーのスタイルに関して筋が通っていたとは思いません。オフトは土台を築く点では高く評価されている監督でしたが限界があるというのが一般的な評価でした。攻撃時の追い越し禁止とかあったらしいし。で、次に連れてきたのが指導力未知数なブッフバルト。確か1年目はハイプレス・ショートカウンター。2・3年目は守備重視だったと記憶しています。一貫性はないですねw。ただ毎年大型補強を繰り返していて、集客力と資金力と勢いでチーム力を強引に引き上げるという意味では筋が通っていたように思います。犬飼の剛腕と、ブッフバルトの謎の力(笑)による強さであり、その強さを盤石なものにするだけの土台はありませんでした。その結果、07年終盤からの迷走があったわけです。個人的にフィンケ路線は大歓迎だったし継続すべきだったと思うけど、少なくとも成績上は失敗でした。で11年のドタバタ劇です。
 だから、J1昇格以降の浦和をずっと応援してきた人たちは、みんな継続することの重要性が身に染みているし、優勝争いができることの幸せも感じているんだと思います。少なくとも僕はそうです。それにピッチ上の選手たちが勝つために必死にプレーしていることも伝わってきてるしね。
 なので、僕自身は、優勝が遠のいたことを受け、悔しいしがっかりしたけど、チームを非難するような気持ちはほとんどありません。もちろん、優勝が絶対条件って人も中にはいるかもしれないけど、G大阪戦後、ブーイングではなく、浦和レッズコールが出たことにちょっとほっとしました。
 そんな話を新潟サポの友人にもしたのですが、春先の一連の事件も踏まえ、「サポの成長を感じるなw」と一言w。
 成長云々は置いておくとしてw、重ね重ねになりますが、混戦が恒例のJリーグにあって、優勝争いができていることってすごく幸せな事なんじゃないのかなぁと思うわけです。特に磐田の昇格プレーオフ敗戦を見た後では、それをすごく強く感じています。ブーイングだってすればいいってものじゃないし、優勝争いが出来ている、選手も頑張っている、フロントもチーム力を強化するためにバランスを崩さないよう強化をしている(たぶん)。だからサポーターも今の姿勢を支持しているし、優勝は遠のいてしまったけど、声援で応えているわけですよね。サポーター含め、チームに関わるすべての人が同じ1点だけを目指して進むことは不可能だけど、多くの人が同じような方向を向けているからの結果なのかなぁと思います。もちろん優勝してほしいですよ、全試合勝ってほしいし、来年はACLだって取って欲しい。でも一番大事なのは、チームが継続的に、同じ方向を向いて、少しずつでもチーム力を高めて、常に強豪たる盤石な土台を築いていくことなんだと思います。今はその軸がぶれていないことを感じているからこその、浦和レッズコールだったのではないでしょうか。ロスタイムの失点にブーイングをしなかったからといってそれを許容しているわけではなく、ここでくじけることなくチームに強くなってほしいという思いの方が上回っているからこそのコールだったわけです。
 新潟サポの友人は、それを“成長”と表現しましたが、それが適切な表現なのかはわかりません。“変化”というべきかもしれないし、今だけの反応なのかもしれません。おそらく今が2008〜2011年当たりであればブーイングが起こっていただろうとは思います。ただ、個人的には、自分の心境も含め今のサポーターのスタンスはすごく好ましいものだと思うし、将来的にチームを後押しする、チームを強くすることに繋がっていくのではないかと思います。
 ただ、個人的にちょっと心配なのは、クラブがそれに胡坐をかく可能性があるのではないか、ということです。チームのスタイルにそぐわないビッグネームの獲得とか、力量の見えないOBを監督に据えるとか。ここ数年の強化にはおおむね満足してますよ、コオロキや西川はじめ、槙野・森脇・那須のCBは欠かせないレギュラーだし、関口なども控えの層を厚くしました。一方で阿部や鈴木といったベテランボランチに代わる戦力はまだまだ不十分だし、原口を除けば若手選手の台頭もほとんどありません。外国人枠も未使用です。その辺りを考慮すれば、クラブはもっと成長できる余地があるのではないかと思ってしまいます。伝手がないからOB人事するようなことではなく、そういった部分も含めて成長を感じられるような姿を示してほしいと思うのです。
 またシーズンは終わってないし、かすかな希望かもしれないけど、最終節は少なくとも優勝の可能性を信じて応援しますよ。鹿島がたなぼた優勝をさらっていくことだって十分ありえるのがJリーグG大阪がコケてくれることを願って、徳島が意地を見せてくれることを願って、そしてもちろん、浦和が名古屋に勝利することを願って、14年Jリーグ、最後の試合を楽しみたいと思います。

 んー、でも1シーズン制がひとまずこれで終了ってのは正直興ざめ感は否めないなぁ。細かいレギュレーションはチェックしてないけど、優勝も降格も1シーズン通しての結果で見るべきだと思うし、プレーオフが盛り上がるのは間違いないんだけど、プレーオフ外の他サポはちょっと疎外感生まれる気もするし。いろんなチームが優勝、ACL、残留、降格に関わってくるシーズン終盤の楽しみが奪われるようでかなり残念だ。瞬間的な盛り上がりも良いけど、勝ち点計算をしながら、クラブと選手、クラブ間、選手間の因縁などを見つけながら、などなど、シーズン終盤の楽しみが半減してしまう気がするのです。あぁ残念だ。