コートジボワール戦

 いよいよ開幕したワールドカップ。4年ぶりの緊張感が帰ってきましたね。リードしているときの「何とか守り切ってくれ〜」とか、リードされている時の「何とか1点取ってくれ〜」とか、双方のゴール前にボールが入るたびにドキドキしたりとか。この緊張感こそがやはりワールドカップ。2014年の日本代表の運命やいかに! ってことでコートジボワール戦です。
 感想としては一言、重い試合でしたね。身体が動いていなかったのはコンディションによるものなのか、ワールドカップという緊張によるものなのか。立ち上がりから慎重で思い切りがない。重心が後ろめだったってこともあるけど、つなぎの場面でのミスが異常に多い。特に前線の選手たちに。コートジボワールがめちゃくちゃ激しく来たってわけでもないと思うけど、簡単に敵にボールを渡してしまいました。
 そんな展開の中で生まれた本田のビューティフルゴール。マーカーはヤヤ・トゥーレだったと思うんだけど、対面にはCBもいて、その両者が届かないスペース、かつ左足で即シュートが打てるところにワンタッチでボールを落としてズドン。身体を右に泳がせながらもその勢いのままに左足を振りぬいたって感じで、トラップからのシュートフォーム、ボールの軌道も含めて美しいゴールだったと思います。
 その後は押せ押せの時間が一瞬だけあったんだけどね。内田のシュートとか岡崎のマイナスへの折り返しとか。岡崎はGKとDFの間に早いボールで大迫に合わせて欲しかったなぁと思いました。大迫、めっちゃキレてたし。ただ、その時間も長くは続かず。で後半に続けざまの2失点。前半から香川は中に入るプレーが多かったと思うけど、中に入ってパスミスしたら、そりゃ本来香川がいるはずのスペース使われるよね。失点はそこからのクロス。いくら長友でも1人で2人は防げない。中に入るのは良いけど、そこでのミスが致命的すぎた。
 それから試合終盤、吉田を上げてのパワープレイ。これまでの4年間、長身選手を投入しても全くパワープレイをするそぶりを見せなかった選手たちがあっさりとそれをやったことの衝撃。監督の指示なのか、選手たちの判断なのかは分からないけど、僕はそれがショックでした。素直にパワープレイをすることを選ぶくらい、「今日の日本代表では崩せない」って判断を選手たちもしたんでしょうね。つないでミスするより放り込んだ方が良いと選手たちも感じていたと。ピッチ上の選手たちも重苦しい雰囲気を感じながら試合をしていたのかもしれないですね。
 初戦の敗北により、予選突破は非常に厳しいと言わざるを得ないわけですが、ただ、悲観しているわけでもないし、絶望しているわけでもないんですよね。というのも僕たちの日本代表のプレーが全く通じなかったわけではなく、(おそらくメンタルの問題により)いつものプレーができなかった、しなかった。要するに自滅だったと思うんです。でもいつもの日本代表のプレーができれば、通用するのは間違いないし、それは親善試合だったとはいえオランダやベルギー、負けたとはいえイタリアにも通じたことを僕たちは知っているわけです。なので、見ている僕らも切り替えやすいし、選手たちもギリシャ戦ではきっと切り替えてやってくれるはず。ということでまだまだ予選突破をあきらめるわ けにはいかない。個人的にはベスト8に進む日本代表が見たいぞ。きっとできるはず、やってくれるはず。頑張れニッポン。