VS磐田

 震災の影響で延期となった第5節磐田戦。この試合でシーズンの半分が終了となる。浦和は前節、前々節同様、ロングボール一辺倒になるかと思いきや後ろから繋ぐサッカーを展開。その中心にいたのは柏木。DFからボールを引き出しながら上手く散らしていく。さらにダイナミックさに欠けるもポジションチェンジも散見。その中心にいるのもやはり柏木。サイドに流れたり、前線に飛び出したりと縦横無尽とはいわないけど、これまでのペドロサッカーには見られなかった動き。ただ、夏場の連戦ということもあって、量チーム共に動きは緩慢。その中で柏木が自分の存在意義をかけて奮闘しているという印象。それもあってか浦和ペースで試合は進み、その柏木がミドルで先制点をゲット。ところが追加点が奪えず後半は防戦一方。最後にPKを与えてしまいスコアは1-1のドロー。9試合目の引き分けとなった。
 勝ちきれなかったのは痛いけど、それ以上に気になるのが選手がポジション固定にこだわらなかったこと。原口も左から右へ大きく動くプレーを見せていた。基本的には前線に飛び出した選手のスペースは他の選手がカバーする(入れ替わる)という動きなので、数的有利を作るようなプレーは見られなかったものの、コレまでにないプレーだったことに、今後への期待が高まる。気になるのはペトロの指示か、選手の判断か、ということ。飛び出した選手のスペースのカバーが徹底されていたところを見ると、試合前からそういう動きをすること自体は確認されていたようだ。高崎が前線で納められないことを考え、ペトロが繋ぐことを選択したって考え方もできるかなぁ。ただ、ランコがそこそこの動きをしたので次節はスタメンが濃厚か。そうするとまた元に戻る可能性もあるかも。
 ランコの印象としては後ろからのハイボールに対しての強さは感じられなかったのでロングボール戦術が有効とは思えない。楔のパスを裁くのは上手そうなので味方が適切な距離でサポートに入れば、チームの攻撃に幅をもたらせそう。後は、胸くらいの高さのボールを強引に収めたり、パンチ力のあるシュートを打ったり、運動量もあるし守備意識も高い。短い時間の印象ではあるけど、優良外国人の予感。ただし、あくまでも独力で局面打開をする選手ではないので、味方のサポートが必須。活かし、活かされるタイプの選手なので、連携を深めて活躍して欲しい。
 ペトロの采配に関しては…。後半、得意の大味なサッカーにシフトすればよかったのに、と思うんだけど、失点しないことを気にしすぎたのかね。山田暢ではなくマゾーラを投入すればカウンターに鋭さは増したのに。今はやることすべてが裏目に出る感じだ。今までは何とか運で引き分けに持ち込んできたけど、その運にも見放され始めた、ということにならなければいいなぁ。