柏木もっとがんばれ

 W杯アジア予選がついにスタート。日本は3次予選からってことなんだけど、なぜか南アW杯出場の北朝鮮アジアカップ4位のウズベキスタンと同グループ。さらにシリアがタジキスタンに変更になるなど、一波乱ありそうなグループに。中東組が日本を嫌がった結果か? まぁ何にせよ今の日本代表はアジアの中だと抜けてることは事実なので、どこが来ようが予選突破は間違いない…はず。
 ということで初戦の北朝鮮戦。結果的に、ザックジャパンのエンタメっぷりは相変わらずハンパないってことでしょうかw アジアカップの時もそうだけど、苦戦しているんだけど、最後はしっかり勝つと。苦労しても“勝っている”ということが大事。負けると南アW杯、U-17の奮闘、なでしこの優勝と、盛り上がり続けているサッカー熱に水をかけるようなことにもなるしね。本田・中村の離脱、守備を固める各下が相手、枠に飛ばないシュート、バーに嫌われるシュート、GKのファインプレーと続き、最後の最後でズドンと。サッカーに詳しくない人にも良く分かるストーリーと盛り上がり、まさに究極のエンタテインメント。
 この試合でどうしても注目を浴びてしまうのが柏木。代表では絶対的な存在となった本だの代わりという意味でも注目を集めていたが評価は芳しくない模様。シュートミスは置いとくとして、確かに存在感を示すことができなかった。その要因として、ちょっとFWよりでプレーし過ぎたのではないかなと。ザックジャパンの肝はパスワーク。その中で重要な役割を担っているのがCHの2人、遠藤と長谷部の前進。要するに飛び出しだったりタテのポジションチェンジ。本田がいる時は本田が降りてきてパスを交わしつつCHが前に出て相手のプレスを交わしてチャンスメイクってのが一つの形になっている。もちろん本田が力技でキープ・シュートをしたり、マークを引き付けて人を使うのも一つの形。後者は本田ありきのやり方だけども。
 キリンカップで3-4-3がパッとしなかったのも着手したばかりってのもあって、選手たちがポジショニングバランスを考えすぎていて、CHの2人がバランス取りに専念してたから。チェコ戦では本田が空気読まずにボールを受けに降りてきて、結果ポジションチェンジが誘発されて良くなったように見えたけど。
 で柏木の話。監督からの指示なのか、本人の判断なのかわからないけど、李のサポートとフィニッシュに関わることを意識しすぎたのか、柏木が降りてきてボールを受けることはほとんどなかった。柏木の良さは運動量と少ないタッチでボールを裁きリズムを作ることで、本田みたいな鬼キープや強引な突破は期待できない。であれば本田以上にCHとの関係性を重視するべきだったと思うんだよね。スタートポジションこそトップ下だけど、トリプルセンターみたいな意識でプレーできればもっとリズムよくボールを回せたのかなと思う。北朝鮮の守備ブロックは固かったし、遠藤へのマークが厳しかったのは事実だけど、もうちょっと工夫が欲しかったね。
 清武、ハーフナーと交代選手が入るたびに得点の気配が高くなってきたのは、さすが名将というか、ああいう使い方をしちゃうあたりザックすげぇな。もちろん相手も疲弊してたし、途中交代ってことで明確な指示も出ていただろうから柏木に失格の烙印を押すのは早計。これを糧にしてもう1段階レベルアップして欲しいっすね。