秋春制再び

 犬飼元会長の辞任?と共に下火になっていたシーズン秋春制移行問題が再び浮上してきたらしい。個人的には賛成なんです。では秋春制のメリットとデメリットを簡単に。
メリット
・高温多湿という過酷な条件下での試合をなくすことで、ゲーム中に置けるパフォーマンス低下を抑えつつ、蓄積疲労を軽減、好ゲームの増加が期待できる。
・欧州と日程を合わせることによる指導者を含む相互移籍の活性化
・欧州と日程を合わせることで、代表のマッチメイクがしやすく代表の強化に繋がる
デメリット
・降雪でのピッチコンディションの低下によるパフォーマンスの低下
・降雪の有無関係なく使用できる練習場の確保
・降雪による集客力の低下(防寒・交通インフラの未整備)
Jリーグへ人材を提供する高校・大学の卒業シーズンが3月のため新人はシーズン途中からの参加になる。
 主だったメリット・デメリットはこんな感じだろうか。
 賛成している理由としては、選手たちにとって過酷すぎる夏場の試合を減らしてあげたいことが一番大きい。吸い込んだ汗で色が変わるばかりか、明らかに重量も増しているだろうユニフォームを着ている選手たちの疲労感たるや、見ていて気の毒になるほど。やはり選手たちにはベストコンディションの下、シーズンを通して良いプレーを見せてほしい。
移籍の活性化については地味に効果が大きい気もする。将来への投資込みの移籍は別として、即戦力としての補強を考えるなら、キャンプへの参加の是非は重要だし、フルシーズンプレイした直後の移籍となればコンディションの問題も重要になり、そこがクリアになるのなら獲得候補としてJリーガーが選択肢に上がる可能性は高まる。また、ヨーロッパから選手を獲得、監督を招聘する際にも、バカンスを挟みつつ、半年のブランク無しで移籍可能になれば、移籍先としてJリーグが選択肢になりうる可能性も高まるはず。ヨーロッパのチーム・選手・指導者にとって、これまで以上にJリーグが選択肢として認知されることに意味があると考える。
代表強化については微妙なところかなぁ。AFCが作成するアジアのスケジュールの問題もあるし。欧州遠征とかは組みやすくなる気もするけど。
 で、デメリットの方。個人的に学校の卒業シーズンとのズレについてはさほど大きな問題ではないかと。卒業前の夏に合流させちゃえば良いわけで。ユース出身のJリーガの中には通信制の高校に転校手続きを取り、プロチームの一員としての活動を優先する選手も少なくない、はず。また、Jリーグ各チームの育成機関の強化、さらに高円宮杯の整備が進み、選手権の持つ「日本一」の意味は相対的に低下しており、そもそもプロ契約するような選手に選手権の結果は関係ない。プロ志望だけどどこからも声がかからなかった選手の最後のアピールの場としては意味があるかもしれないけど。あるいは卒業までは強化指定選手としてチームに帯同させるか。大学も同様です。問題はプリンス・プレミアリーグの北海道・東北・北陸・信越開催分。秋春になればユースの育成システムもそれにあわせるだろうし、ならば高円宮杯も移行させたい。そうなると降雪地帯での開催はムリ。じゃあどうしようっていう問題は地味に大きい。
 そして降雪。雪が積もって試合にならない、雪が積もって練習できない、スタジアムが寒すぎて観戦できない、そもそも交通機関が麻痺してスタジアムにたどり着けない、などなど。こんな状況で興行としてのサッカーなんてほぼ不可能。ということで、秋春制の賛成に当たっては、スタジアムの整備(観客席用の屋根、できればピッチの上も。座席用ヒーター等)、練習場の整備(屋内施設)に加えて、最寄駅からスタジアムまでの地下道の整備(スタジアムまで濡れずに歩けること)、各地域主要駅からの交通手段の確保を前提としたい。かつ、その整備には日本サッカー協会及びJリーグが全面的に協力をする。降雪地帯からの新規参入についても、全面的なバックアップ方法を整える。降雪地帯のチームは冬にホームゲームをやらないなんてアホなことにならないよう、リーグの公平性を保つためにも、上記の条件を何一つ欠けることなく整えることが秋春制への移行の前提。で、プリンス・プレミアの各チームについては、練習については現状維持(体育館などを使用?)で我慢してもらい、プレミアはJリーグの前座として試合を行う。プリンスは秋と春の2期に分けるしかないかなぁ。
 ということで、これにどのくらいお金がかかるのかは知らないけど、基本的にはシーズン移行には賛成です。現実的ではないかもしれないけど賛成。消極的賛成と言えるかもしれない。で、もしコレがムリなら移行するべきではないし、移行しない方向に舵を切るのであれば、夏の負担を軽減させる方向で各地の整備を進めることも大事。ユースやJ2、JFLの試合が行われる各施設のナイター設備やシャワー設備を整える。秋冬反対の議論は多いけど、夏場の負担軽減のための議論はほとんどない現状は、これはこれで問題じゃないかなぁ。よりよい環境を作っていくためにも、議論を重ねて欲しいものです。