Jの観客動員数をグラフで見てみよう

 ここ数年落ち込みを続けるJの観客動員。ということで全37クラブ平均入場者数をグラフにしてみた。グラフをひとつにすると非常に見にくいので北から4つに分割。y軸のバラつきはご愛嬌。いくつか興味深いクラブをピックアップ。


 まずは我が浦和レッズ。昔から熱狂的といわれているけど、2002年時点では約2万6000人。2位の横浜FMが約2万4000人なので実はそれほど差がない。駒場がメイン本拠地だったのもあるが、本拠地をさいスタに移行するのと同時に、タイトル争いに加われるようになったことで、観客動員が飛躍的に伸びる。02年ナビ決勝初出場、03年ナビ初優勝、04年リーグステージ初優勝、05年天皇杯優勝、06年リーグ制覇、07年ACL制覇、贅沢な時代だねぇ…。これにより圧倒的な観客動員を記録するわけです。08年は無冠だったけど伸びたのはACLの遺産かな。チーム力低下の兆候は07年後半から見えており、その流れに歯止めがかからず09年から急降下が始まる。その結果、11年は最盛期から1万3000人程度落ち込んでいるが、依然としてJトップを維持できている。
 浦和の例や、鹿島、名古屋、C大阪等のグラフからもわかるようにタイトル争いをすれば観客動員は伸びるし、争えなければ観客動員は落ちるのが普通。02年時点で浦和に追従していた横浜FM。当時の成績は両ステージ制覇の磐田に次ぐ2位。03年からは監督に岡ちゃんを招聘して両ステージ制覇、04年1stステージに続きCSでも勝利しリーグ優勝と成績は伸びているにもかかわらず動員数にほとんど変化がない。で、優勝争いに加われなくなった05年以降もほとんど変化がない。10年はほかのクラブが軒並み減少する中、増加していたりと(中村効果と思われる)ちょっと不思議なクラブ。
 その横浜FMとほぼ同じ数字で推移していたのが首都のクラブ、FC東京。さすがに降格した11年はだいぶ落ちたけどそれまで2万5000人規模を10年近く維持。都会のクラブの観客動員は減らないけど増えないという特徴があるのだろうか。
 浦和に次ぐ観客動員力をもつのは新潟。03・04・05年では浦和を越える動員力を持っていたが、現在は2万6000人にまで減少。昇格は04年なんだけど、03年のJ2の時点で3万人の動員がすごい。一方で集客力低下の背景には、一時期話題になった無料招待券の問題も。ただ、無料とはいえ「スタジアムでサッカーを見たい」という層が確実にいるはずなので、タイトル争いに加われるようになれば飛躍的に動員を伸ばせる可能性もあるよね。主力流出が恒例行事になっている以上、現在のスタンスを続けるだけでは難しいかもしれないけども。
 J1昇格以降、確実に伸ばしてきた川崎Fは近年停滞傾向。ここはハコの問題もあるのかしら。攻撃的という魅力的なサッカーとユニークな営業の成果といえる集客力も11年は成績とともに低下。12年は勝負の年になるのかも。
 資金力を武器に脱中位に成功した名古屋の数字はちょっとさびしい。瑞穂の収容力の問題もあるかもだけど、豊スタも併用してなかったかしら。ドラゴンズと競合したりしてるのだろうか。
 名古屋と似たような状況にあるG大阪はどうだろう。ついに新スタジアム構想が本格稼動しそうだけど、伸び代については正直未知数な気がしなくもない。監督が代わっても上位を維持できるかって問題も出てきそうだし、ちょっと興味深いですよね。
 あと気になるのは昇格組みを除いて11年J1で唯一伸びた神戸か。理由がまったくわからないけどこれってすごいよね。取り立てて成績が良いわけでもないのに07年から変化がないあたり、横浜F、FC東京と同じ都会のクラブってことなの?
 そのほか降格のたびにダメージを受ける東京Vとか、やっぱり厳しい新規参入組みの現状とかいろいろあるけども、なんにせよ2012シーズンの開幕が待ち遠しいね。キャンプとプレマッチを経てチームがどんな風に作られていくのか、去年が悪かった分今年は例年以上に楽しめそうです。