オリンピック代表候補発表

 オリンピック代表候補35名が発表されました。注目の香川は召集を見送られ、OAは吉田、徳永、林。この35名から17名が脱落し最終登録メンバー18人が選出されることになります(+バックアップ4名)。
 気になるのは、12-13シーズンを海外で戦う選手たち。吉田、酒井宏樹酒井高徳、清武、宇佐美、高木、大津、指宿、宮市の9人。酒井宏・清武・宇佐美は新しいチームになるし、宮市をはじめ現所属チームでのプレーになるのか微妙な選手も何人か。個人的には五輪よりも所属チームでの活動を優先させるべきだと思っています。彼らは将来の日本代表を担う才能を持つ選手です。そのためにも伸び盛りの年齢に当たる今は、出場試合数を増やすことが大事。チームの始動から合流し、キャンプを通してアピールする必要があると考えます。香川の成功があったとはいえ、彼らの成功も保障されているわけではありません。彼らの能力をフルに発揮することが出来れば、間違いなく成功すると思いますが、その可能性を高めるためにも準備期間は長いほうが良い。キャンプから合流することで、選手間のコミュニケーションをとりつつ、自分の特徴を知ってもらい、チームメイトの特徴を知ることが、早い段階で能力を証明することにつながるはず。
 オリンピックの初戦、スペイン戦は7月26日、その前には壮行試合の位置づけでニュージーランド戦(7月11日)があります。ヨーロッパの各チームがいつから始動するのかはわかりませんが、オリンピック代表の日程を考えても、所属チームキャンプ合流→一時離脱でU-23合流→オリンピック本番は厳しいでしょう。また、酒井高徳シュツットガルト酒井宏樹ハノーファーはELの予選もあります。特にハノーファーは予備予選3回戦からの登場なので8月2日が公式戦開幕です。できればここから参加して欲しいところ。ブンデスリーガは8月24日開幕のようですが、オリンピックに参加すればキャンプ前半の参加は絶望的。キャンプ前半は1年を通してプレーするためのコンディション作り、キャンプ後半は戦術の醸成を行うのが一般的です。戦術キャンプに参加できれば十分という声もあるかもしれませんが、コンディショニングも大切なんです。
 コンディショニングの方法はそのチームがどの順位を狙うかによって異なるといわれています。優勝を狙うチームであればシーズン中盤〜後半がピークになるように準備をし、残留争いが予想されるチームはシーズン序盤をピークに、中盤は落として再び終盤に上がってくるようにシーズン前トレーニングを行うそうです。つまり、前半キャンプに参加できないと、チームのバイオリズムとズレが生じてしまう可能性があるってことです。また、オリンピックは中2日の連戦が続くわけですから、オリンピック終了後にチームに合流したとしても疲労はあるはずで、コンディショニングを優先すれば戦術トレーニングへの影響も懸念されます。
 安定して試合に出場するためにも、シーズン序盤のアピールは不可欠。もちろんオリンピックという4年に1度の国際舞台だからこそ成長できるという要素もあるかもしれないけど、リーグ戦で1年通してプレーすることに勝るメリットがあるとは思えない。というわけで、オリンピックという短期的な成功・盛り上がりよりも、シーズン通して日本人プレイヤーが海外で活躍することの方が代表にとっても、日本サッカーにとってもメリットは大きいと思うんですよね。
 ついでにもう1つ、OAにはA代表の当落線上の選手を選んで国際舞台を経験させるべきだったと思うんですよねぇ。槙野とか高橋とか。協会としては何よりも結果を求めているのかもしれないけど、目先の結果よりも長い目で見た日本サッカーの成長を考えて欲しいなぁ。たとえ今回のオリンピックで望ましい結果を残せなかったとしても、今のサッカー人気がフロックじゃないのはW杯最終予選の盛り上がりを見ていればわかるわけで。A代表が強ければサッカーは盛り上がるんですよ。というわけで、個人的にいまいち盛り上がれないオリンピック代表候補発表でした。