おつかれ、ヤングなでしこ

 オリンピックの余韻が覚めやらぬ中開催されたU-20女子ワールドカップアメリカの優勝で幕を閉じました。まずはワールドカップとはいえアンダー世代、しかも女子の試合をゴールデンタイムに生中継したフジテレビの勇気に拍手をしたい気分です。ブンデス目当てでフジのCS3局も契約しているので、個人的には地上派ではなくても良かったのですが、日本戦全試合地上派という決断があったからこその盛り上がりだったと思います。選手紹介テロップに「○○の後継者」と入れたり、カメラのスイッチのタイミングがずさんだったりと不満もありますが、「ゴールデンタイムにアンダー世代の女子サッカーを放送」するという英断は、サッカーの盛り上げに間違いなく一役買ったのではないでしょうか。CSでは日本戦以外も放送していて、フリーの下田アナなんかも実況してました。下田さんには地上派で中継してもらいたいけど、フリーの人には厳しいか。個人的に下田さんの実況は好きです。
 さて、ヤングなでしこ。3位という素晴らしい成績を残したわけですが、ドイツ戦は残念でしたね。それまでの快進撃がかすむほどの完敗。ドイツの圧倒的なフィジカルの前にしり込みしてしまい、前半途中までは勝負になりませんでしたね。彼女たちにとって初体験となるフィジカルの差はそれほどまでに大きかったということです。それでも何人かの選手は前半の途中からしっかりと切り替えて、怖がらずに体をぶつけられるようになったし、後半からはほとんどの選手がそれをできるようになりました。3決のナイジェリア戦でも、ドイツ戦の反省を活かし、フィジカルコンタクトでは勝てなくても、しっかりと体をぶつけ、相手のプレーチョイスの選択肢を減らし、近くの選手がカバーに入る、という連携がしっかりできていました。この状態でもう一度ドイツと勝負させてあげたいなぁと思っていたら、ドイツ対アメリカの決勝戦は、もう1ランクくらいレベルが上の試合になっちゃいましたね。この2強に喰らいつくためにも、所属チームで経験を積むことが大事だと思いますが、あのフィジカルは日本だと体験できないんだよねぇ。国際大会へのチャレンジはA代表しかないし、U-22くらいの大会の創設とか難しいんだろうか。なんとか調整して経験積ませてあげたいなぁ。
 選手個人にスポットを当てるなら、個人的にはキャプテンの藤田選手が良かった。チームが苦しい時に顔を出すというか。ドイツ戦でも最初に闘う姿勢を見せたのは藤田で、守備時に体を張るのはもちろん、ドリブルでファウルをもらってチームを落ち着かせたりと、派手さはないけどキャプテンらしさを見せてくれました。猶本のようにプレスをいなしてタテにつけるようなパスは少ないけど、ボランチとして確実にボールを散らすプレーはできるし、守備時のカバーリングも戦う姿勢も◎。今後は、あのサイズでどこまでできるかでしょうか。サイズがあれば良いって分けじゃないけど、フィジカルコンタクトが欠かせないサッカーにおいてサイズは勝敗を分ける重要な要素でもある。そのハンディキャップをいかに克服して行くのか。その辺りにも注目です。