ラトビア戦を前に

 本日は日本代表VSラトビアFIFAランキング104位のラトビアに対し、海外組を中心にレギュラーフル召集、新戦力は大津のみということで、成績を見れば順風満帆なはずなのに、方々で批判を受けているザックジャパンの2013年ファーストマッチ。
 「国内組を召集して新戦力の発掘を!」「海外組はリーグに集中させろよ!」「104位のラトビアと試合をする意味あるの?」などなどの批判が繰り広げられているようですが、個人的には不満なし。というのもこれまでのザックの言動や召集方法などを見ていれば、今回の試合の位置づけは“強化試合”ではなく“調整試合”だと思うのです。さすがにそんなことを監督も原さんも公言するわけないですけど。
パスワークが武器の日本代表に対し、選手たちが所属する各チームの戦術はさまざま。特に海外組の場合は、ポジション固定でリスク管理を重視するチームもあれば、ロングボールで中盤をすっ飛ばすチームもあり、日本代表が志向するサッカーとは大きくかけ離れたチームでプレーをしている選手がほとんどであり、当然所属チームと日本代表では求められる役割もプレーの質、プライオリティも異なってくるわけで。本戦進出がかかったヨルダン戦のまえにテストマッチが組まれているとはいえ、このラトビア戦を逃せば5ヶ月以上のブランクが出来てしまう。その前にしっかり日本代表のサッカーを思い出してね、というのがラトビア戦の位置づけ。
 なので、この試合で大事なのは選手たちが実践を通して日本代表のサッカーを復習することであり大勝することではないのです。格下相手に大差がつかなければさらに批判が広がりそうな気もしますが、海外組は今週末にも試合があるし、CL・EL組はミッドウィークにも試合を控えており、厳しいスケジュールの中でフルスロットルの試合をする必要もなし。大事なのはスコアではなく、選手たちがプレー意図を合わせられるかどうかなんです。だから強いチームとやる必要はないし、むしろ強豪であればリアクションに回る時間も多くなり、本来の目的である“日本代表のサッカー感を取り戻す”作業に専念できなくなり、疲労の蓄積も大きくなります。ということで、失礼な話ではありますが、手頃な相手としてラトビアがマッチングされたのでしょう、たぶん。
 新戦力を求める声についてはわからなくはないんですが、そこはタイミングだったり、代表のサッカーとの愛称もありますからね。Jリーグが開幕してから新しい選手たちの台頭を期待しましょう。
 さて、そういう意味ではラトビア戦は結果よりも内容、というか選手間の意志の疎通が求められる試合だと思うので、ザックジャパンの戦術を改めて分析する上では絶好の機会なのかもしれないですね。