迷走は止まらない

 Jリーグは11試合が終了。浦和は清水に負けて勝点8の16位。残留安全圏が勝点40前後とすると、残り23試合で32ポイントが必要となる。全勝すれば77ポイントだから優勝も可能だな、数字上は…。勝点40ギリギリで計算すると、負け数が最も多い場合で10勝2分11敗、引き分けが最も多い場合で5勝18分0敗の計算。勝・分・負を繰り返し8勝8分7敗でもちょうど勝点40になるね。3試合で1勝1分1敗を繰り返していけば残留できる。プロジェクトとしては決して難しいものではないように思える。さて、ペトロビッチには遂行できるかな?
 さて、清水戦。出場停止のスピラノビッチの代役は坪井。今シーズン初出場。ジーコジャパンでレギュラーとして活躍したCBも今年で32歳。山田がアレだから目立たないけど大ベテランといっていい年齢だ。ちなみに平川、堀ノ内も同い年。
 その坪井が前半途中で交代を告げられる。このシーンを見た多くの人たちが同じことを思ったんじゃないだろうか。「こりゃダメだ」と。失点自体は崩されたものではなかったし、見事なFKを決めたボスナーを褒めるべきだろう。壁の作り方が悪いという声もあるかもしれないけど、あれはしょうがないでしょう。距離があっただけにゴール前を薄くするわけにはいかないから壁3枚はまぁ妥当。事前ミーティングでFK対応を指示されていないのであれば壁のジャンプも妥当。ジャンプした壁の隙間(下?)を抜けて、あの速度、あのコースに決まるんだからただボスナーがすごかった。運が悪かっただけだよ。ところが、浦和迷走の最大要因である監督が浮き足だってしまい、坪井out、原in という迷采配に打って出る。そもそも前節、広島相手に対等以上に戦えたのは6バック気味の布陣で守備を安定させたからだ。ペトロビッチは時間はまだまだあるにもかかわらず、守備の安定を放棄したわけだ。前半途中での選手交代はスクランブル。ケガ以外では、ミスの連発あるいは目に見えて動きが重くチーム戦術が遂行できないでもない限り僕は見たことがない。つまり、一般的に前半途中での交代はそのゲームにおける「戦力不足」意味する。では坪井はどうだったか。坪井自身今シーズン初出場でコレを機にレギュラーにと強い思いもあったことだと思う。ミスはなかったし、コンディションも良さそうだった。ところが崩されたわけでもないのに事故みたいな失点で即交代。原が悪い選手だというわけじゃない。でも原を投入することで何かが劇的に改善するのだとしたら、なぜ最初からスタメンで使わないのか。今シーズンのやり方を見るに、ペトロビッチは試合中に戦術プランを変更するタイプではない、っていうかできない。同じ役割を持った選手同士の交代、または、負けてる時に前線の枚数を増やすだけだ。どちらも間違ってはいないけど、あまりに単純。引き出しがなさすぎる、というか引き出しがないよね。机の上にペラ紙1枚の戦術でどうにかなると思っているんだろうか、ペトロビッチも、そしてフロントも。