レッズの今シーズン

 15位でギリギリ残留を勝ち取った2011年の浦和レッズJリーグ公式サイトから数字で振り返ってみましょう。
勝点36(8勝12分14敗)
例年のデータを見れば勝点36はまさにボーダーライン。今シーズンは引き分けが多かったですね。「勝ちきれない」より「負けなかった」という印象の引き分けが多い。チームとしての力のなさをギリギリのところでカバーしてきた1年だったってところしょうか。
得点36(16位)
なんとガンバ(78点)の半分以下。シーズン後半は得点の匂いがほとんどしなかったからね。点を取れる選手の不在と同時に、最後まで攻めの形が見えなかったのも痛かった。
失点43(6位)
守備が悪くないのは単に守備陣の頑張りによるもの。“最悪”のシーズンにあっての失点の少なさを考えると、守備が浦和の伝統といっていいのだろうか。この長所を生かして欲しいと思う反面、攻撃に魅力のあるサッカーを見たいという思いもある。新監督のペトロビッチは後者の印象が強いけど、リトリートしてブロックを作る守備の印象もあるし、相性は意外といいのかもしれない。

シュート378本・1試合平均11.1本(13位)
もっと少ないと思ったら意外と打ってた。今シーズンは遠目からのシュートが多かった印象強いなぁ。サイドを崩してって形は少なかったし、っていうか攻めの形なんてなかったし。ちなみに1位の川崎Fは499本。得点1位のガンバが397本で意外と少ない。

被シュート391本・1試合平均11.5本(8位)
1位は柏の328本、18位は神戸の498本。良いのか悪いのか良くわかりませんw。

FK613本(1位)
なんとフリーキック本数は18チーム中最多。つまり被ファウル数が多いということ(オフサイドを取る回数が多いという可能性も…)。個人技を活かし1対1で仕掛けることをペトロビッチが志向したからだろうか。でも得点にはほとんど繋がりませんでした。セットプレーで点が取れていればもっと楽なシーズンが送れただろうに…。

CK163本(11位)
たぶん平均に近い数字。良し悪しはわかりません。

反則586個(2位)
惜しい、1位の神戸(587個)と1個差。要するに荒いチームだったとw。まぁ、守備も基本は1対1でつぶすってやり方だったし、そりゃファールもかさむわ。ちなみに最小は名古屋の427個、意外だ…。

警告70枚(1位)
ファウル数の多さを考えれば妥当なのだろうか。ダーティーなチームだったというわけか…。

つまり、今シーズンを数字を使って総括すると、攻撃力に乏しいが守備はそこそこ頑張るものの、ファウル・被ファウルがかさみ試合が荒れるダーティーなチームだったと。そんなチームがギリギリ残留を拾いましたよと。厳しく当たる守備は00年代からの傾向だと思うけど、最近はボディコンタクトで倒れても流す傾向にあるし、その中でファウル数・警告数が多いというのはちょっといただけない。
個人的な願望としては、来シーズンは勝点よりもチームの、そして選手個々の成長を感じられるシーズンになったらいいなぁと思っている。今年の経験はメンタル面での成長を促した一面はあるかもしれないけど、選手たちにとってもチームにとっても、サッカーの質という部分では停滞の1年だったと思える。FC東京と対戦した天皇杯の準々決勝、レッズは何もできずに敗戦した。リーグ戦から続いていることだけど、相手の守備を崩すための工夫が何も見らず、「これが今シーズンだよなぁ」と納得してしまう自分がちょっと悲しい。崩せないなら選手たち自身が何かアクションを起こさないと。今シーズンの浦和の選手たちはそれを怖がっていたよね。アクションを起こそうとしても矯正を図るペトロビッチ(ダメな方)の影響はあったと思うけど、それが今シーズンの停滞感に繋がった面は否めない。来シーズンはチャレンジャーとして、技術的にも、戦術的にも、精神的にも、1年を通して成長する姿が見たいです。